キルタンを愛する人のために

日本中にキルタンが溢れる日を夢見て素敵なキルタンのコツなどを解説します。

第13話 音楽は使命です。

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新しい年が始まりましたね。

早くコロナが終息し、皆さんが元気で過ごされますようにお祈り申し上げます。

新年と言えばニューイヤーコンサートですが、やはりコロナのせいで盛大なニューイヤーコンサートが開催されることはありませんでした。

そんな中、全世界で人気のウィーンフィル 2021ニューイヤーコンサートはリモートで開催されました。

そして、その指揮者リッカルド・ムーティ氏が素晴らしいスピーチ をされ、とても感動しましたのでご紹介したいと思います。

 

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ウィーンフィル 2021ニューイヤーコンサート 

     指揮者リッカルド・ムーティ氏のスピーチ


今年のニューイヤー・コンサートは異例の状況で開催されています。

放送を通じて世界90か国以上の数多くのみなさんのために演奏しているのはわかっています。

ですが、この美しい、歴史的なムジークフェラインザール(ホール)は空っぽです。

ウィーン・フィルは素晴らしい演奏をしてくださっています。

それは音楽のメッセージを伝えたいからだけではなく、このオーケストラはブラームスブルックナーマーラーやそのほかの多くの作曲家、そしてこのホールで歴史を刻んできた音楽家たちの精神に囲まれているからです。


昨年1年間が厳しい年であったことは改めて申すまでもないでしょう。

しかし今私たちはここにいて、音楽が運んでくれるメッセージを信じて演奏しています。

楽家には武器があります。

これは人を殺さない、花ともいうべき、音楽という武器です。

音楽は喜びや希望、平和、兄弟愛、そして何よりも大文字のLで始まるLOVE(愛)をみなさんに届けることができます。


音楽が大切なのは、よくいわれるようにエンターテインメントであるからではありません。

私たち音楽家にとって、音楽は仕事ではなく、使命なのです。

その使命を伝えるために音楽家は働いているのです。

では何の使命か?

それはこの社会をより良いものにする、という使命です。

新しい世代の若者にとってこの1年は、物事を深く考えられないままに過ぎてしまいました。

自分の健康のことを始終考えていなければならなかったからです。

身体の健康は大切ですが、精神の健康も同じくらいに大切です。

音楽はその精神を健康に保つのに必要なのです。
世界中の知事、大統領、首相のみなさんに私からお願いしたいことがあります。

将来社会をよくするためには、音楽という文化が欠かすことができない要素であるという点をどうかお考え下さい。

この思いを込めて「美しく青きドナウ」を演奏いたします。

この美しい曲の音の波の中に、喜びと悲しみが、生と死がいっぱいに詰まっていることをお聴きください。

今年はいい年になりますように!私の仲間のウィーン・フィルのみなさんとともに、

新年あけましておめでとうございます! 

 

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 いかがですか?

音楽は LOVE(愛)を届ける、というのが私の心に響きました。

そして、音楽家にとって音楽は使命である、という言葉に深く共感しました。

 

キルタンも、神に愛を捧げ、聞いている皆さんに愛を届ける音楽だと思います。

今年も愛のあふれる素晴らしいキルタン会が全国で開かれますように。

 

 

第12話 キルタンは神のために!!

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2020年も残すところわずかとなりました。

それにしても今年は激動の年でしたね。

コロナウィルスが世界中で流行し、多くの方が亡くなりました。

暮らしも大きく変わりました。

 

私にとっても今年は大変な年になりました。

1月に母(84歳)、8月に父 (86歳)が亡くなりました。

そしてコロナウィルスの影響で音楽の仕事がほぼキャンセルとなりました。

思いも寄らない事態でした。

仲間と楽しんでいたキルタン会は軒並み中止になり、音楽を教える仕事も、コンサートで演奏する仕事も全て出来なくなり、音楽が遠くへ行ってしまったような感覚を覚えました。

私の周りに当たり前のように日常的にあった音楽が急に消えたような感じでした。

 

もちろん家で1人で歌や楽器を練習したり、好きな音楽を聴いたりすれば良いのですが、気の合う仲間やいつもコンサートに来て下さる皆さんと素敵な音楽を共有できないことが大きなストレスでした。

人とふれあう大切さを痛感しました。

リモートでキルタンなどもしましたが、微妙に音がずれて変な感じであまり好きではありません。

今まで普通にできたことが突然できなくなるのは辛いですね。

 

しかし、コロナ渦の中で学んだことも多くありました。

緊急事態宣言が発令され、外出を自粛する中、家の中の不用品をかなりの量処分し、不要な物が大切な物を見えなくしていることに気づきました。

そして、運動不足解消のため、家の近くの山などに散歩に行き、近くにこんなに素晴らしい自然環境があったんだと初めて気づきました。

忙しい日常の中で全く見えていなかった物が次々と見えてきました。

これは大きな収穫でした。

これからどのように残りの人生を生きて行くかも少し見えた気がします。

 

時間があるので本も読みました。

田森雅一著『インド音楽との対話』という本の「はじめに」という部分に心に留まるお話がありました。

ムガール帝国の宮廷にインド音楽史上最高の音楽家と言われるミャーン・タンセンが仕えていました。音楽好きの大帝は彼を大切にしていましたが、ある日、タンセンが自分よりすぐれた音楽家がいると言うので、ぜひその音楽家に会いたい、とヴリンダーバンの森に会いに行きました。

その音楽家はタンセンの師匠で、瞑想を終え歌を歌っていましたが、その声は森を震わせ大帝を感動させました。

大帝は「なぜお前はあのように歌えないのか?」とタンセンに聞きました。

「私はあなたのためにだけ歌っています。けれども彼は神様のためだけに歌っているのです。」

 

このお話を読んで、なるほど!!と思いました。

キルタンとは神を賛美するためにあるのです。

それこそが本当のキルタンなのです。

 

来年はまた多くの仲間と集まって、神に捧げるキルタンが出来ばと思います。

 

皆様どうぞ良いお年をお迎え下さい。

 

第11話 キルタンとは祈りです!!

長らくご無沙汰してしまいました。

9月にインドの聖地ヴリンダーバンに行って参りました。

ヤムナ川を船で遊覧しながら、ヤムナにギーランプとお花を捧げ、日本から持参した小さなキーボードを演奏して船上で仲間とキルタンをしました。爽やかなひと時でした。

 

聖地のお寺では毎朝4時半~、毎夕6時~、神像崇拝が行われ、その時に各お寺のキルタンチームがキルタンを捧げます。

もちろんそれ以外の時間でもキルタンを続けているお寺はたくさんありますし、24時間途切れることなくキルタンをするお寺もあります。

聖地に行けばこのようにキルタン聞き放題です!

それを聞きつつ、キルタンとはまさに祈りである、と感じました。

逆に言えば、祈りのない歌はキルタンではない、ということです。

 

自分の心の穴を埋めるための歌、我欲にまみれた歌、自己アピールしたくて必死の歌、そのような歌には祈りがありません。

聞いていて波動が悪すぎて苦しくなります。

歌は自分の心の状態を映し出す鏡ですから、本当に気を付けなければなりません。

私は音楽の仕事をしていますので、ついキルタンもお仕事的に、義務感や責任感の中で技巧的にしている事があるので注意しなければと思います。

 

愛、祈り、感謝の心を持ってするキルタンは本当にすてきです。

そのようなキルタンが出来ますように!!

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第10話 キルタ二スト

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マリアカラスというオペラ歌手をご存知ですか?

世界的に超有名で、亡くなって40年以上たった今もなおオペラファンに愛され続け、オペラ歌手たちに尊敬され続けている伝説の歌手です。

このマリアカラスが残した言葉をご紹介します。

『歌に関して言えば、私達は死ぬまで学生なのよ。』

そうなんです。音楽を志す人間は死ぬまで学生、つまりずっと学び続けなければならないということなのです。

このようにオペラ界の頂点に君臨し、世界を感動させた偉大な歌手でさえ自分のことを学生だと言っているのです。

世の中には自分のことを『キルタ二スト』と名乗っている人が沢山いますが、インド音楽というものは果てしなく奥が深い世界ですから、そう簡単に『キルタ二スト』になんてなれるものではありません。

本物のキルタニストになりたければ、謙虚な姿勢で、忍耐強く、真面目に誠実に休むことなく何十年も学び続けなければなりません。

もちろんテクニックを磨くだけでなく、精神的にも発達しないと良いキルタンはできませんしキルタニストにもなれません。

自分の心の状態が全て音楽に現れてしまうからです。

その人がどういう人間か、話をしなくても歌を聞いたら分かります。

人を感動させる歌は、声の美しさや音程の正確さやリズム感の良さだけではなく、

その人の心の状態やムード、その人の持っている愛にかかっています。

自己満足のキルタンではなく、愛のあるキルタンを目指しましょう。

そしてマリアカラスのように謙虚に学び続けましょう。

 

 

 

第9話 クリシュナって何?

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第4話でハレークリシュナマハーマントラの事をお伝えしましたが、クリシュナって何?クリシュナって誰?というご質問を頂きました。

クリシュ、とは『存在』、ナは『源』、つまりクリシュナとは『存在の源』という意味です。至上人格主神、最高の神と言われています。

インドではクリシュナの名前を知らない人はいません。

聖地ヴリンダーバンには千を超えるクリシュナ寺院があります。

もちろん、どこのクリシュナ寺院でも毎日キルタンが行われています。

24時間ぶっ通しで行われている所もあります。

キルタンでこのクリシュナの名前を唱えることは実に素晴らしいことなのです。

クリシュナ!と偶然言っただけでも冗談で言ったとしても浄化されるのです。

なぜなら神の名前と神は同じだからです。

キルタン会で、なんか俗世間と違った空気を感じる、と言う方はたくさんおられますが、神の名前や神を讃えるのがキルタンですから、当然その場の空気が神聖なものに変わる訳です。

そしてその場に居合わせた人たちがみんな浄化されます。

キルタンとはそれほどまでに大きな力を持っているのです。

みんなでクリシュナの名前を唱えましょう!!

 

 

 

第8話 キルタン会必須アイテム

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キルタン会必須アイテムは何でしょうか?

これがあればキルタン会がさらに格段に素晴らしくなる物、、、。

音の良い楽器?? 楽器はあった方がいいですが楽器がなくても素敵なキルタンは出来ます。

高価なマイクやアンプなどの音響設備?? 音響設備は必ずしも必要ではありません。

千人、2千人が集うキルタン会では必要かもしれませんが、百人程度のキルタン会ではマイクはなくても構いません。

洗練された会場?? 会場は関係ありません。路上でもどこでもキルタンは出来ます。

歌や楽器のプロ?? 演奏の上手下手は関係ありません。

それでは一体何があればキルタン会が素晴らしくなるのでしょうか?

はい、それはプラサーダム(神様に捧げた食べ物)です。

キルタン会に美味しいプラサーダムがあればみんなが幸せになります。

腹が減っては戦ができぬ、ですから。

耳から素敵なキルタンを聞いて、口から美味しいプラサーダムを食べて、、、それでこそ集まった人たちは大満足できますね。

プラサーダムのないイベントは成功とは言えない、とインドでは言います。

キルタン会が開かれる時には、みんなでプラサーダムを持ち寄りましょう。

 

 

第7話 キルタンは愛です!

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キルタンに必ず必要な物、それは愛です。

キルタン会の日に集まって下さったメンバー、会場となる空間、キルタンを彩る楽器たち、その全てに感謝し、愛しましょう。

その愛の波動がキルタンを素晴らしいものにします。

その日に集まったメンバーが次回また全く同じ顔ぶれで揃うことはまず難しいですし、その日とプログラムも雰囲気も全く同じようなキルタン会を開く事はまず不可能ですから、その日のキルタンはその日一回限りの世界でたったひとつのキルタン会なのです。

そのたった1度限りの貴重な時間と空間を大切に思い、愛しましょう。

キルタン会を開くのに、経験やテクニックは重要ではありません。

1つ1つに感謝し、愛を持って接する、それこそがキルタンを素晴らしい物にする要素なのです。

キルタン会はカラオケ大会ではありません。のど自慢大会ではありません。

ソロリサイタルではないのです。みんなで素敵な空間を作るのです。

リードする人は、皆さんと気持ちがひとつになるように、参加して下さった方々に心を配り、温かい輪ができるような雰囲気を作りましょう。

経験が浅くてそんな余裕がないという人は、ただ誠実に一生懸命歌えば良いでしょう。

怖がらずにどんどんリードもしましょう。

キルタンに上手い下手は関係ありません。

キルタンは心を込めてみんなで作り上げていく芸術作品なのです。