キルタンを愛する人のために

日本中にキルタンが溢れる日を夢見て素敵なキルタンのコツなどを解説します。

第6話 キルタンの効果

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音は波動である、と以前お伝えしましたが、音が人の身体や脳に影響を与えるという事は医学的にも証明されています。

数年前、内臓移植手術を受けた患者さんにベルディのオペラを聞かせると拒絶反応が和らぎ良い効果がある、ということが医学界で発表されました。

モーツァルトの音楽はα波が出ているから、と妊婦さんが胎教のためにモーツァルトのCDを買うというのも有名な話です。

病気の人や痴呆の老人に音楽を聞かせて症状を和らげる、音楽療法というのも知られています。

鉢植えの植物の前にスピーカーを置いて、クラッシック音楽を流していると植物はスピーカーの方に伸びて行き、ハードロックを流すと植物はスピーカーと反対の方向に伸びていく、という実験結果もあります。

医学的に証明されていなくても、車のクラクションや工事現場などの激しい騒音を聞くとストレスを感じますし、優しい音楽を聞くと心が落ち着く、というのは誰もが感じている事です。

それほど音の波動というのは人体や人の心にまで大きな影響を与えるのです。

キルタンをすると心が安らぎ、癒され、平安な気持ちになる、心の汚れが洗い流されたような気持になり涙があふれる、というのは実際に多くの人が経験しています。

キルタンが想像以上に大きな効果があることは事実です。

ある宗教団体の調査の結果、キルタンがストレスを解消する効果は、普通一般的にするストレス解消法(自然の中を散策など)の数十倍の効果があることが分かっています。

誰もが病気になりたくないので身体の不調や変化に気を使います。

しかし魂に気を使う人はあまりいません。

キルタンは魂にまで影響する精神的な音響です。

お近くでキルタン会が開催される時にはぜひ参加して下さい。

 

第5話 カラターラについて

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キルタンで一般的に使われるカラターラという小さなシンバルのような楽器をご存知ですか?

このカラターラは簡単に誰でも叩けそうですが、実はけっこう難しいのです。

持ち方は、指を離しても楽器が手から落ちないように、紐を指にうまく巻き付けて使います。

インドでカラターラを購入した時に付いている紐は、2つのシンバルが離れないために結んであるだけですので、このまま使うと紐が短すぎて演奏しにくいので、必ず丈夫で適度な長さのある紐やリボンやチロリアンテープなどに付け替えましょう。

カラターラはけっこう難しい、と言いましたが、カラターラの本来の役目を知るとその重要性が分かります。

このカラターラは、とても遠くまで響きますので、大勢集まってキルタンをする時に、一定のテンポとリズムが乱れないようにする、オーケストラで言うと指揮者に当たる役目をします。

カラオケで、賑やかしのために叩くタンバリンやマラカスと同じように考えてはいけません。

ですから、キルタンで大勢の人がこのカラターラを叩くべきではありません。

本来はリードをする人が叩きますが、リード者が他の楽器を演奏している場合は別の人が叩きます。

 

カラターラを購入する場合は必ず叩いてみて、音を確認してから買いましょう。

大きさや厚みによって音が全然違います。

澄んだ響きの、透明で清々しい音の物を選びましょう。

 

第4話 宇宙一強力なマントラとは?

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ハレー・クリシュナ・マハーマントラ

 

हरे कृष्ण हरे कृष्ण , ハレー クリシュナ ハレー クリシュナ

कृष्ण कृष्ण हरे हरे | クリシュナ クリシュナ ハレー ハレー

हरे राम हरे राम ,    ハレー ラーマ ハレー ラーマ

राम राम हरे हरे ||   ラーマ ラーマ ハレー ハレー

 

宇宙で1番強力なマントラは、ずばり上記のハレークリシュナマハーマントラです。

世界各地で開かれるキルタン会にこのマハーマントラが歌われない日はありません。

インドの聖地では24時間このマントラを唱えているお寺もあります。

それほど有名で重要です。

マントラとは、マナス(心)+ トラヤテ(解放する)= 心を解放する、物質的幻想や不安から心を救うもの、という意味です。

ですから、キルタン会に参加するとなぜか心が和む、癒される、涙があふれる、という人が続出してキルタンにはまって行くのです。

このハレークリシュナマハーマントラを聞いたり唱えたりすると、心を解放するだけでなく、魂が浄化までされるのです。偶然唱えただけでも恩恵があります。

いつでもどこでも簡単に唱えられるこのハレークリシュナマハーマントラを毎日唱えない手はありません。

インドの聖地に住む聖者たちは、このハレークリシュナマハーマントラを毎日64周、数珠を使って唱えます。(1周はこのマントラを108回)

数珠を使ってこのマントラ(正確には、神の名前なのでナーマと言います)を唱えるのをチャンティングと言いますが、楽器を使ってメロディをつけて集まって唱えるのがキルタンです。

この強力なマハーマントラを大勢で集まって唱えると、エネルギーも倍増します。

キルタン会にはぜひ皆さん、このハレークリシュナマハーマントラを歌いましょう。

どんなメロディやリズムでも構いません。

このマハーマントラで、その場が聖地のムードになります。

 

このマハーマントラの意味も説明しておきましょう。

ハレーとはハラ―(主のエネルギー)への呼びかけの形です。

クリシュナは至上主である神の名前です。

クリシュナもラーマも『最高の喜び』という意味です。

この、神を表す最も力強い音響であるハレークリシュナマハーマントラは、ヴェーダでは神の超越的な質、及びエネルギーの全てを含むものとして記述されています。

 

 

 

第3話 キルタンの歌い方

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キルタンは捧げるものだ、と第1話でお伝えしました。

インドのヴェーダ式のお寺では何でもまずは神に捧げます。

食事も、沐浴して身を清潔にしてから調理し、作っている途中で味見はしません。

まず、1番に神に食べていただくためです。

それと同じで、キルタンでリードをする人は自分が歌った声を神に捧げるのですから、まず自分で聞こうとしてはいけません。

身体の構造上から見ても、口は顔の前にあり、耳は横にありますから、自分の声を聞こうとすると声は前に飛びません。

これは発声的に言っても良くない事です。

声は前に、遠くに向かって響かせます。自分の体から声を離す感じです。

そんな事しなくったってマイクがあるからいいんじゃない?と思われるかもしれませんね。

実は声は波動ですから、機械を通すと波動が変わってしまいます。

ですからなるべく生の声で歌うのが良いとされています。

キルタンで歌われる、神の名前や神の栄光はとても純粋な波動ですので、変わってしまうともったいないですね。

それから、歌い方ですが、私が子供の頃は音楽の先生が「口を大きく開けて、歌詞をはっきり発音するように歌いましょう!」と指導していました。

これは大きな間違いです。

なぜなら口を必要以上に大きく開けたら、そこから息が漏れてしまうからです。

息が声になりますから、息が漏れては良い歌は歌えません。

そしてはっきり発音しようとすると口に余計な力がかかります。

歌だけでなく、スポーツでも何でも余計な力が入ると良い結果は生まれません。

力を抜く事こそ大切なのに、わざわざ力が入るようなやり方をする必要はありません。

自然な口の開け方と、自然な発音の仕方で十分なんです。

迫力を出すためにのどに力を入れて歌う人がいますが、これはやめましょう。

声帯はデリケートな器官ですので、ポリープができる原因となります。

 

自分の声が嫌いだ、という人がけっこうおられますが、あなたの声は世界でたったひとつ、あなたしか持っていません。

これは神様からの贈り物です。

神様からの最高のプレゼントであるあなたの声に自信を持って素敵なキルタンをしましょう!

 

 

第2話 キルタンとは瞑想です!

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キルタンは好きなんだけど、どうも思うように上手に歌えない、声が響かない、高い声が出ない、等、人によって色々な悩みがあると思います。

歌や楽器の上手下手は関係なく、キルタンに大切な事は捧げるという気持ちだ、と前回お話しましたが、やはり皆さん上手になりたいと思います。

今回、キルタンとは瞑想です、というタイトルですが、この瞑想こそが上手に歌うポイントになります。

瞑想とは頭の中にイメージを思い浮かべるという事ですが、歌う人が何のイメージも持たずに歌っていると、聞いている人が感動する訳がありません。

 

私は歌を教えていますが、小学生に“夏の思い出“(夏が来れば思い出す~♬遥かな尾瀬、遠い空♪)を歌わせたら、たいがいの子はとっても下手くそに歌います。

なぜなら大阪の小学生は尾瀬がどこにあるのか、どんな所かも知らず、夏が来れば思い出す訳がないからです。

“夏の思い出“を素敵に歌いたいなら、尾瀬がどんな所かを調べ、水芭蕉の花がどのように咲いているのかを知らなければなりません。

ちゃんとイメージを抱いて歌うのと、そうでないのとでは雲泥の差があります。

キルタンでは神の名前や、神を讃える歌を歌いますが、神をイメージするには神を知らなくてはなりません。

ではどうやって神を知るのか?

ずばり、神の言葉が書かれているバガヴァッドギーターを学ぶことをお勧めします。

 

*バガヴァッドギーターとは*

 

世界中で愛読されているインド哲学書です。

アインシュタインや、マハトマガンジーオッペンハイマー等、多くの著名人も読んでいました。

2014年、インドのモディ首相が来日した時に、天皇陛下と安倍首相にプレゼントしたのもこのバガヴァッドギーターでした。

 

このバガヴァッドギーターは『マハーバーラタ』の一部であり、ヴェーダ文典の中でも最も重要なものの1つです。

今から5千年前に主クリシュナが友なるアルジュナに語った言葉が記されています。

この本から、神とは何か、生物とは何か、宇宙現象とは何か、カルマとは何か、を学ぶことが出来ます。

そして誰もが最も知りたい疑問、私達はどこから来てどこに行くのか、人生の本来の目的は何なのか、を知ることが出来ます。

 

 
 

 

第1話 キルタンとは?

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キルタンとは、ナーダヨガ(音のヨガ)、歌うヨガ、と言われています。

インドに古来から伝わる、バクティヨガ(神へ愛を捧げるヨガ)の1つです。

​神の名前や、マントラ、祈りをコール&レスポンスの形で歌います。

 

私がキルタンに出会ったのは、音大声楽科を卒業して数年たった頃でした。

それから30年あまり、インド関連のお祭りやイベントにて、ハルモニウム(アコーディオンのような鍵盤楽器)の演奏者としてキルタンに関わって来ました。

キルタンは誰にでもどこででも出来ます。

しかし、素敵なキルタンをするのは簡単ではありません。

まずはキルタンに1番重要なポイントは、捧げる、ということです。

自分が楽しみたい、自分が目立ちたい、自分が誉められたい、、、このように、自分が、自分が、というエゴを出してしまうと聞いている方は興ざめです。

元々、音楽と言うのは神に捧げられるためにありました。踊りもそうです。

もちろん楽しく演奏することは良いのですが、捧げるという気持ちを忘れてはなりません。

これから、キルタンを愛する人たちのために、色々なポイントをお伝えして行きたいと思います。